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2026.06.17 blog

精液検査の実際

今回は不妊治療の第一歩となる精液検査についてご紹介します。
精液検査は、不妊症の原因を調べる際に行う基本的な検査の一つであり、男性因子を評価するうえで非常に重要な指標となります。不妊の原因は女性側だけでなく男性側にも認められることがあるため、適切な治療方針を検討するためには欠かせない検査です。

どのように行うのか

採精カップに精液を採取したのち、培養士に提出していただきます。
培養士は提出していただいた精液の液量を確認した後、精液をマクラーチャンバー(顕微鏡で精子を正確にカウントするための計算盤)に一滴のせ、目視やSMAS(Sperm Motility Analysis System)という精子運動解析装置を用いて精子の測定を行います。
検査結果が出た後は、診察室で医師とのお話になります。

写真 採精カップとマクラーチャンバー

写真 採精カップとマクラーチャンバー

精液検査でわかること

精液検査では、精液量、精子濃度(/mL)、総運動率(前進+非前進)、前進運動率、正常形態率、総精子数のほかに精子の速度、円形細胞数などがわかります。
当院では、全例SMAS(Sperm Motility Analysis System)という精子運動解析装置を使用し測定していますが、培養士の目視でも精子をカウントして間違いがないかを確認しています。また、実際にご本人様の精子が動いている様子をPC画面で動画としてご覧いただけます。

実際にお渡ししているSMAS測定結果の報告書

実際にお渡ししているSMAS測定結果の報告書

実際に精子が動いている様子

 

WHOマニュアルによる精液所見の基準下限値

WHOマニュアル2021による精液所見の基準下限値は以下のように定められています。

項目 基準下限値
精液量 1.4mL
精子濃度(/mL) 16×106/mL
総運動率(前進+非前進) 42%
前進運動率 30%
正常形態率 4%
総精子数 39×106
生存精子率 54%

また、この基準値をもとに精液所見によっては診断名がつくことがあります。
主なものは以下の通りです。

診断名 精液所見
無精液症 精液なし
精子無力症 前進運動精子が基準下限値以下
無精子症 射精液中に精子を認めない
死滅精子症 射精液中の精子の生存率が低く、不動率が高い
乏精子症 総精子数が基準下限値以下
奇形精子症 正常形態率が基準下限値以下

精液所見と妊娠率の関係

WHOの基準下限値は、これを下回ると妊娠できないことを意味するものではありません。しかし、自然妊娠や人工授精においてWHOの基準下限値を下回る精液所見だと妊娠率が下がるという報告があります1)2)。
一方で、精液所見は日々変動するため、1回の検査結果だけで正確な評価を行うことは困難です。そのため、精液検査は少なくとも2回以上実施し、総合的に判断することが望ましいとされています。

最後に、精液検査は不妊治療における大切な第一歩です。
実際に、初診で初めて精液検査を受けたことで、精液中に精子が認められない無精子症が判明したケースも少なくありません。早い段階で精子の状態を正確に把握することは、その後の治療方針を適切に検討し、より良い治療に繋げるために非常に重要です。
患者様お一人おひとりに最適な治療をご提案するためにも、まずは精液検査を受けていただくことをおすすめいたします。

参考文献

1) A prospective study of semen quality and fecundability among North American couples planning pregnancy: Andrology. 2026 Jan;14(1):184-195.
2) Impact of current and previous sperm findings on outcomes of intrauterine insemination: Reprod Med Biol. 2024 Apr 8;23(1):e12574.

監修医師紹介

河村 寿宏 産婦人科専門医・指導医、生殖医療専門医・指導医

河村 寿宏 産婦人科専門医・指導医、生殖医療専門医・指導医

田園都市レディースクリニック 理事長 / あざみ野本院 院長
東京科学大学医学部臨床教授

「不妊に悩む患者さんの望みを叶えてあげたい」という思いをもとに、不妊治療のスペシャリストとして、高度生殖医療の分野で長年尽力。田園都市レディースクリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添いながら、高度な技術と豊富な経験に基づいた不妊治療を提供しています。

田園都市レディースクリニック[あざみ野本院]

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電話
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[初診予約専用] 045-905-3724
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※本記事の監修に関して、学術的部分のみの監修となります。河村医師が特定の治療法や商品を推奨しているわけではありません。