ブログ Clinic Blog
当院の凍結保存タンク管理
皆様からお預かりしている凍結胚、凍結卵子、凍結精子は、液体窒素が充填された凍結保存タンク内で保管しております。
そのため、保管しているタンクの管理が非常に重要です。
そこで今回は、当院の凍結保存タンクの管理方法についてご紹介したいと思います。
当院は凍結保存タンクを管理する上で、特に気をつけていることが3つあります。
①タンク内の液体窒素の管理
②タンクの保管環境の管理
③地震対策
① タンク内の液体窒素の管理
液体窒素は自然蒸発により徐々に減少するため、毎日の液体窒素残量確認と定期的液体窒素補充が必要となります。当院では、すべての凍結保存タンクについて1日1回、タンク内の液体窒素の高さと重量を測定し、両者を組み合わせて管理しています。高さと重量による管理を併用することで、凍結保存タンクに異常があった際、早期に発見することが可能となります。さらに、各タンクの重量を常時測定する監視システムを導入しています。重量が設定値を下回るとアラームが作動し、複数の担当培養士に直ちに通報されます。夜間や日曜・祝日の夕方以降などスタッフが培養室に常駐していない時間帯も遠隔監視を行い、異常が発生した際に速やかに対応できる体制を整えています。
② タンクの保管環境の管理
凍結保存タンクは長期使用に伴い断熱性能が低下し、液体窒素の蒸発速度が徐々に増加する可能性があると言われています。そのため、当院では使用期限を10年と定め、計画的に新しいタンクに更新を進めています。
③ 地震対策
当院の建物は免震構造を採用しており、一般的な耐震構造の建物に比べ、地震時の揺れを大幅に低減できます。建物自体の免震化に加えて、培養部門では凍結保存タンクを守るためさらに種々の地震対策を施しております。
各凍結保存タンクは、地震時の大きな移動や破損を防ぐために、鍵付きの個別スペースに格納しています(図1)。さらに、格納スペース内には揺れによる衝撃を吸収するウレタン素材を使用し、凍結保存タンクと周囲構造を含めた転倒・移動防止対策を講じております(図2)。
また万が一凍結保存タンクが破損した場合に、皆様の検体を速やかに移せるよう、予備の凍結保存タンクを常に用意しております。
さらに緊急時に備えて院内に常に300Lの液体窒素を備蓄するよう在庫管理しています。
当院ではこれらの管理体制と対策により、開院からこれまで26年間、胚、卵子、精子の凍結保存におけるトラブルは発生しておりません。
今後も、皆様からお預かりしている大切な凍結胚、凍結卵子、凍結精子は引き続き厳重に管理し、保管してまいります。

図1:凍結保存タンクの個別スペースへの格納の様子

図2:液体窒素の備蓄の様子
監修医師紹介
河村 寿宏 産婦人科専門医・指導医、生殖医療専門医・指導医
田園都市レディースクリニック 理事長 / あざみ野本院 院長
東京科学大学医学部臨床教授
「不妊に悩む患者さんの望みを叶えてあげたい」という思いをもとに、不妊治療のスペシャリストとして、高度生殖医療の分野で長年尽力。田園都市レディースクリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添いながら、高度な技術と豊富な経験に基づいた不妊治療を提供しています。
田園都市レディースクリニック[あざみ野本院]
- 所在地
- 〒225-0011
横浜市青葉区あざみ野1丁目5-1
- 電話
-
[代表] 045-905-5524
[初診予約専用] 045-905-3724
[再診予約専用] 045-905-4895
※本記事の監修に関して、学術的部分のみの監修となります。河村医師が特定の治療法や商品を推奨しているわけではありません。


