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第31回日本臨床エンブリオロジスト学会学術大会開催のご報告 (2)
前回の投稿に引き続き、第31回日本臨床エンブリオロジスト学会学術大会のレポートをご紹介したいと思います。
今回の学術大会では、大会長である当院培養部部長 有地の思いを託した 「つなげよう、未来のARTヘ」という大会テーマに沿って、4つのシンポジウム、2つの特別講演、そして教育講演とディベートセッションが執り行われました。
シンポジウム
ラボ成績の維持向上
複数回胚移植を行なっても結果が出ない時の対応として培養液の見直しの提案、継続的な治療成績の維持のために行なっている管理や他職種連携の実際についての紹介がされました。
着床前診断
日本産科婦人科学会の細則でPGT -Aの対象が追加され、PGT-A症例の増加が見込まれています。この需要に対応できる胚培養士の育成に向けた教育体制構築の必要性や、検査前の遺伝カウンセリングの現状についてのご講演がありました。
培養室の危機管理
いつ起こるか分からない、地震などの自然災害や停電などの機材トラブルなどのリスクに対して、危機管理体制の整備を考えるセッションでした。
当院の胚培養士で培養室長の大村が登壇・発表いたしましたので、詳細は追ってご紹介いたします。
ラボ業務におけるAI導入
不妊治療領域ではAIによる卵子・精子・胚の画像解析評価を中心に実用化されており、AIを適切に取り入れることで効率化と質の向上を期待されています。講演では現状の成果と今後の展望についての紹介がありました。
特別講演
in Vitro Gametogenesis
マウスES /iPS細胞から誘導し、機能的な卵子を産生する技術を確立した研究を紹介いただきました。そこから得られた新知見や残された課題、そして将来の生殖医療への応用可能性について議論がなされました。
胚培養士資格の国家資格化
現在、学会認定である胚培養士資格が国家資格化される動きが注目されています。次世代へ続く胚培養士の認定制度の枠組みや未来像についての講演がありました。
教育講演
胚培養士による患者心理への配慮と支援
胚培養士は業務の中で患者様に卵子や胚について説明をしたり、相談を受ける場面があります。胚培養士の視点から見た心理支援についての講演がありました。
ディベートセッション
凍結融解プロトコール
現在臨床で実際に採用されている凍結融解プロトコールは複数あり、より良い治療成績を求めて更なる改良が進んでいます。それぞれの施設や胚培養士の立場から見た、それぞれのプロトコールの利点・欠点を議論し、臨床現場における最適なアプローチについて議論を深めました。
どのセッションも活発な討議及び意見交換がされました。多数の参加者に聴講いただき、立ち見が出るほど白熱し盛会に終了いたしました。
生殖医療は医学の進歩が目覚ましい領域の一つであり、日進月歩で新しいデータや知見が報告され、常にアップデートされています。
今回の学術集会では発表いただいた病院・クリニックでの経験や治療成績が報告されることで医学の進歩の一助となり、会場の参加者同士で交わされる情報交換や白熱した議論は翌日からの診療に還元され、全国各地の患者様の治療成績向上のヒントになったことと自負しております。
今回の日本臨床エンブリオロジスト学会の大会長を当院の培養部部長が拝命し、日本全国から生殖医療の最前線で活躍されている胚培養士をはじめ医師、看護師など大勢の参加者の皆様を横浜の地でお迎えできたこと、現在のARTを未来のARTへつなぎ、盛会のうちに終了することができたことは当院の喜びであり、誇りとなりました。
常に卵子・胚にとっての最良とは何かを考え、最高の治療結果にこだわり抜くこと。
これは私たち田園都市レディースクリニックと患者様ご夫婦とのお約束であり、スタッフ一人一人が掲げてきた開院当時から変わらない理念です。
【最良】とは何かー私たちは常に追い求め、問い続けています。
私たちは生殖医療に携わるものとして、最高の治療結果にこだわり抜くものとして、常に最新の知見に触れ、目の前の患者様に還元し日々の診療に取り組んでまいります。
監修医師紹介
河村 寿宏 産婦人科専門医・指導医、生殖医療専門医・指導医
田園都市レディースクリニック 理事長 / あざみ野本院 院長
東京医科歯科大学医学部臨床教授
「不妊に悩む患者さんの望みを叶えてあげたい」という思いをもとに、不妊治療のスペシャリストとして、高度生殖医療の分野で長年尽力。田園都市レディースクリニックでは、患者さま一人ひとりに寄り添いながら、高度な技術と豊富な経験に基づいた不妊治療を提供しています。
田園都市レディースクリニック[あざみ野本院]
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[初診予約専用] 045-905-3724
[再診予約専用] 045-905-4895
※本記事の監修に関して、学術的部分のみの監修となります。河村医師が特定の治療法や商品を推奨しているわけではありません。


