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2017.07.22 blog

ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)

先日7/2~7/5までヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)がスイスのジュネーブで開催され、河村院長、清水センター長が出席してきました。

ESHREはアメリカ生殖医学会(ASRM)と並ぶ、世界で最も 大きい生殖医療に関する学会の1つです。

当院では、国際学会や国内の学会に積極的に参加し、最先端の知識や技術を得て、治療に役立てたいと考えています。

 

本年度は、当院からも2題のポスター発表が採択されましたので、

ご紹介させていただきます。

 

1題目は

「採卵当日にMIからMIIへ成熟した卵子の培養成績および臨床成績の比較検討」

です。

 

要約しますと、

「採卵後、顕微授精を行うために卵丘細胞を除去すると卵の成熟度がわかります。

その際成熟した卵(MII)に対して顕微授精を行います。

未成熟卵(MI)の場合、2~3時間培養をして成熟したMIIになれば、同じように顕微授精を行います。

最初からMIIだった卵と、MIMIIになった卵を比べると、後者は正常受精率、Day3良好胚率、Day5良好胚盤胞率、最終胚盤胞率は有意に低いことがわかりました。

一方で、MIMIIになった卵は受精後、良好胚盤胞に到達していれば、最初からMIIだった卵と比較して、臨床妊娠率、流産率、生産率は有意差はなく、採卵当日にMIMIIになった卵も、受精後良好胚盤胞に到達できたものは有用であることがわかりました。」

 

多くの卵子は、採卵時に成熟した状態で採取出来ていますが、採卵時にまだ未成熟なものもあります。これらの未成熟卵も数時間培養後成熟卵となり顕微授精で正常受精した卵は、その後の培養で良好胚盤胞まで到達したものであれば、成熟卵で採取出来た場合と妊娠成績に差がなく、それらも利用出来ることが明らかになりました。

2題目のポスター発表は、また次回紹介させていただきます。