体外受精 In vitro fertilization

体外受精の流れの図 体外受精の流れの図

C:受精

採取された精液を、ART用異物除去フィルターを通した後、2層の不連続密度勾配法による遠心分離洗浄後、さらにWashを加えて2回洗浄し、良好運動精子を回収した後に、卵子と受精させます。
受精の方法には体外受精と顕微授精があり、それらを組み合わせて同時に行うsplit法を採用することもあります。
精液所見に問題が無い場合は、通常体外受精が採用されます。
精液所見が極めて不良で体外受精による受精が見込めない場合や、過去の体外受精で受精が起きなかった場合は、顕微授精が採用されます。
精液所見が不良ではあるが、体外受精でも受精の可能性があり、しかしながら受精卵がゼロ、という事態を避けたい場合は、採卵した卵子を2群に分けて、一方には体外受精を、他方には顕微授精を行うsplit法が採用されます。

C-1 体外受精

体外受精

体外受精では、精液を洗浄濃縮後、良好運動精子を回収して、卵子の入っているディッシュに通常10万個/mlの良好な運動精子をふりかけて(媒精)自然の受精を期待します。

C-2 顕微授精

顕微授精

顕微授精では、処理後の精子を細いガラス針の中に1個吸い取り、それを卵子に穿刺して卵子細胞質の中に精子を注入します(卵細胞質内精子注入法:ICSI)。
当院の顕微授精の特徴は、精子の運動性を抑えるために一般的に顕微授精時に使用されるPVP(ポリビニルピロリドン)という高分子化合物を使用しないで行います。
PVP使用の顕微授精では卵子の細胞質内にPVPがわずかに注入される可能性があります。PVPが細胞質内に入ることによる卵子への影響は不明ですが、もし使用しないで顕微授精が行えて、かつ高い受精率が出せるのであれば、それに越したことはない、という考え方です。

C-3 split法

split法

split法は、卵子が複数採卵できた場合に、体外受精をする卵子と顕微授精をする卵子の2群に分けて、受精をさせる方法です。
この方法だと、顕微授精を行っておくことにより受精卵ゼロという事態を回避できる可能性が高くなり、また体外受精を行なった卵子も受精していれば、胚移植を行う際に、より自然に近い受精である体外受精により受精した胚を優先して移植できる、というメリットがあります。
日本では、採卵し受精をさせた周期の1割弱に、このsplit法が使われています(日本産科婦人科学会の統計)。

体外受精と顕微授精を比較した場合のメリット・デメリット

体外受精 顕微授精
メリット 受精がより自然に近い
40年の歴史がある
受精率がより高い
精液所見不良でも受精可能
デメリット 顕微授精に比し受精率が低い
受精しないことがある
人工的な授精法である
歴史が体外受精より浅い

IMSI : IMSIという、高倍率による精子の選別も実施しています。

紡錘体可視化装置 : これを用いることで、顕微授精時に卵子の染色体の損傷を回避するとともに、顕微授精実施のタイミングをより最適な条件で行えるようにしています。

ART取り違え防止システムについて

体外受精をはじめとする生殖補助医療(ART:Assisted Reproductive Technology)では、取り違えは絶対に起きてはならないことです。当院では、培養室内でのあらゆる作業に徹底したダブルチェックを行うとともに、二次元コードを使用したART取り違え防止システムを導入し、取り違えの完全防止に努めております。

topに戻るTOP