男性不妊

男性不妊

男性不妊の原因と治療について

男性不妊の原因現在の日本を含む先進国では生殖可能年齢(15~40歳と想定しています)カップルの15%(6組に一組)は不妊であると言われています。
またカップルのうち「妻・夫どちらに原因を有しているか?」を調べた調査が1993年WHOから報告されました。
結果としては「女性のみ原因」41%,「男性のみ原因」24%,「夫婦両方に原因」24%,「原因不明」11%とされ、不妊カップル全体の48%は男性因子が存在することになります。この報告は1993年のデータですが近年、アメリカやヨーロッパでも同様の調査がなされ、その頻度は変わりないか男性因子の比率が増加している傾向にあるようです。

平成27年度におこなわれた厚生労働省の男性不妊調査によると、1年間に泌尿器科の生殖医療専門医を訪れた男性不妊症新患数は7268名でした。この調査は平成10年度にも行われていますが当時の患者数は1504名でした。
患者数増加の原因としては男女ともに結婚年齢が上がったことで加齢による精子の質低下が進んでいる、カップルの男性不妊症に関する知識が高まっている、などが考えられます。
前述した7268名を、原因別に分類しますと造精機能障害(精巣の障害のために精子を作りづらい)5991人(82.4%),性機能障害(EDや射精障害)980人(13.5%)、精路通過障害(精子の通り道がなんらかの原因でふさがっている)286人(3.9%),その他11人という結果でした。もっとも多い造精機能障害のうち半数以上は原因不明の特発性不妊症、3割を精索静脈瘤がしめています。精索静脈瘤は精巣の上部にできる静脈の「こぶ」ですが、薬物や手術で多くの方が精液所見改善、妊娠にいたっています。特発性(原因不明)だからといって治療が出来ないわけではなく,薬物(ビタミンや漢方薬、サプリメントなど)によって約半数の患者さんは精液所見を改善させられる可能性があります。

もし人工授精・体外受精に治療が移行したとしても、男性が治療を行う必要がないわけではありません。精液所見が良い方が不妊治療にはアドバンテージとなるのでご主人の治療も同時並行して進めてゆければと考えています。
私が普段勤務している横浜市立大学センター病院、生殖医療センターのデータですが精液所見が悪い患者さんの治療を行い、精液所見が正常の患者さんカップルと同等の妊娠率、治療期間とすることが出来ました。もともと精液所見が悪いのはそれだけで妊娠に不利なのですが、それを改善することで精液所見が正常な方々と同等の成績にできたわけです。

そう考えると、旦那さんの検査、異常があればその治療も早めに行ってゆくことが妊娠率の上昇・妊娠までの期間短縮につながることになります。そういった意味で不妊治療、検査は二人揃って受けていただくのが良いのではないでしょうか。

しかし,男性側に原因があった場合でも専門に診察できる施設は日本では非常に少ないのが現状です。
日本生殖医学会が認定している「泌尿器科領域生殖医療専門医」は2017 年4月現在50名弱、神奈川県は8名です。泌尿器科領域生殖医療専門医は男性不妊のスペシャリストであり治療法や日常生活での注意点などを皆さんにお伝えすることができます。
田園都市レディースクリニックでも土曜日に泌尿器科の生殖医療専門医による男性不妊外来が開設されており診察治療にあたっております。精液所見に異常があると言われた方、よろしければ一度土曜日の男性不妊外来を受診してみてください。精子の数、運動率、精子の質が良くなるような治療が見つかるかもしれません。それが赤ちゃんを迎える近道になるかもしれません。
皆さまの受診をお待ちしております。

泌尿器科 湯村 寧

男性不妊症血液検査

ホルモン(LH,FSH,PRL,男性ホルモン)、クラミジア抗体等を検査します。

男性不妊診察

精液検査で異常が出た場合に、精巣やその周囲の診察、超音波検査を、当院の男性不妊専門外来(土曜日午後)に行っています。

男性不妊治療

精液所見が悪い場合には、薬物療法を行うことがあります。また、EDに対してED治療薬を処方しております。逆行性射精に対しても薬物療法などを行うことがあります。

精巣内精子回収法(TESE)

無精子症の場合に、精巣を切開して精子を回収する方法です。非閉塞性無精子症が疑われる場合は顕微鏡を使用しての手術(microdissection TESE)を行います。TESEは、当院または提携している男性不妊専門施設で実施いたします。

男性不妊担当医紹介

非常勤医師:小川 毅彦(おがわ たけひこ)

非常勤医師:小川 毅彦

横浜市立大学学術院医学群分子生命医科学系 創薬再生科学(生命医科学)教授

略歴

  • 昭和60年 横浜市立大学医学部卒
  • 昭和60年 横浜市立大学大学院
  • 平成元年~ 横浜市立大学医学部附属病院、横浜南共済病院、川崎市立井田病院、横須賀国立病院泌尿器科
  • 平成7年 米国ペンシルベニア大学留学
  • 平成13年 横浜市立大学泌尿器科講師
  • 平成18年 横浜市立大学泌尿器科准教授
  • 平成25年 横浜市立大学医学群分子生命医科学系列プロテオーム科学教授
  • 平成29年 横浜市立大学学術院医学群分子生命医科学系 創薬再生科学(生命医科学)教授

専門医

  • 日本生殖医学会生殖医療専門医
  • 日本泌尿器科学会専門医

所属学会

日本泌尿器科学会、日本生殖医学会、日本アンドロロジー学会(評議員)

診療分野

男性不妊症

非常勤医師:湯村 寧(ゆむら やすし)

非常勤医師:湯村 寧

横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター部長

略歴

  • 平成5年 横浜市立大学医学部卒
  • 平成7年~ 藤沢市民病院、大和市立病院、国立熱海病院、横須賀共済病院、茅ヶ崎市立病院、横浜市立横浜市民病院泌尿器科
  • 平成23年 横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器科・腎移植科講師

専門医

  • 日本生殖医学会生殖医療専門医
  • 日本泌尿器科学会専門医

所属学会

日本泌尿器科学会、日本生殖医学会、 日本アンドロロジー学会(評議員)、 日本癌治療学会

診療分野

男性不妊症

非常勤医師:加藤 喜健(かとう よしたけ)

非常勤医師:加藤喜健

横浜保土ヶ谷中央病院泌尿器科医長

略歴

  • 平成10年 横浜市立大学医学部卒
  • 平成12年~ 横須賀共済病院、藤沢湘南台病院、大和市立病院、川崎市立井田病院、横浜市民病院、大口東総合病院泌尿器科
  • 平成25年 横浜船員保険病院泌尿器科医長

専門医

  • 日本泌尿器科学会専門医、指導医
  • 日本がん治療認定医
  • 泌尿器腹腔教技術認定医
  • 日本内視鏡外科学会認定医

所属学会

日本泌尿器科学会、日本生殖医学会、 日本癌治療学会、日本泌尿器内視鏡学会、 日本内視鏡外科学会

診療分野

男性不妊症

診療案内